終活相談会レポート/講演テーマ「終活について」
終活相談会のレポートをお届けします(第1回) 講演テーマ「お墓・お葬式」
講演テーマ「お墓・お葬式」
令和5年9月10日、釣月寺本堂にて「お墓・お葬式」というテーマで終活相談会を実施し、ご家族を含めて24名の方にご参加いただきました。
檀信徒の方々が終活についてどんなことに関心をもっているかをお聞きすることができました。
相談会では講師に寺院広報を代行する株式会社唯の代表で、僧侶でもある池谷さんに講演いただき、全国78人の檀信徒を取材した事例をご紹介いただきました。
この度、講演いただいた内容を3回に分けてレポートします。今回のお題は「お寺で終活って何するの?」です。
お寺で終活って何するの?
自分の死について相談できる相手がいない
お寺でする終活では「死について対話すること」が大切です。葬儀の準備や相続の手続きなどの具体的な取り組みは、住職から葬儀会社などの業者の方を紹介してもらって解決できますが、それよりも前にご自身の心の準備をしておく必要があります。
そうした背景があるなか、取材した全国の檀信徒さんから最も多くの悩みとしてあがったのは「自分の死について相談できる相手がいないこと」でした。自分の子や孫に伝えておきたいことがあるという方が多い一方で、「自分の死について話題を出しちゃうと家族をがっかりさせてしまうし、『なんでそんな話題を出すの?もしかして大きな病気になっちゃったの?』と変に勘ぐられてしまって家族に気を遣わせてしまう」という思いも共存しています。
そんな状況を解決するためにも、お寺の住職は檀信徒と死について心の整理をするために話す重要な役割を担っていると思います。
何を相談すればいいかわからない
「家族に心配かけないようにするにはどうすればいい?」と終活に悩む檀信徒から聞いたことがあります。
その方は「お墓の面倒を見ることが難しくなる」と家族から言われたことをきっかけにお寺へ相談に来たという背景を持っていましたが、やはりお墓の継承以外でお寺に相談しにくる方は多くはないのが実情です。
しかし、取材を通じて多くの檀信徒さんが悩みを抱えているものの「そもそも終活で何を相談すればいいかわからない」という意見も多くありました。他の檀信徒の方々がどんな相談をしているのかも分かっていないのが現状なのです。
いま気になっていることを話す
お寺での終活は「まずは死について話してみること」、そしてその大切さを知ることができるのが特長です。今回の終活相談会では自分の死について取材した檀信徒インタビューの映像を紹介しました。
まずはいま気になっていることを住職と話すことで、これまでモヤモヤしていた終活についての悩みが少しずつ見えてくると思います。
<ご参加いただいた方からのご感想>
「(終活を)意識することから始めないと、気づいた時には遅い気がします」(50代男性)
「(終活相談会では)お寺を身近に感じられて良かった」(50代女性)
以上
秋山住職からのメッセージ
終活相談会ではご参加いただいた檀信徒のご家族からも反応をお聞きすることができました。親の終活について「家族にどう働きかけるか」、その課題に対し、お寺の役割はとても重要だと実感しました。仏事だけでは檀信徒の子や孫に伝わらないので、これからコミュニケーションを深めていきたいと思います。