「墓じまいを本当に望んでいるのか?」

今回は、「日本石材工業新聞」という業界紙に掲載された内容を取り上げます。

全国的に墓じまい(墓地を撤去し、遺骨を永代供養等に改葬する)が増加している状況において、「業界を挙げて全石材店が墓じまいの風潮を止め、命の大切さを伝える提案をするべき」と書かれています。

「時代の流れだから仕方がない」「手の打ちようがない」「黙って受け入れるしかない」という意見もある一方、墓じまいせざるを得ないという方もいるのは事実です。

ある調査では、「墓参りに関心がある」と答えた若者は19%、「大学生の80%はお墓は必要だ」という結果になり、北海道のある中学校においては「今年お墓参りに行った生徒が95%」いたそうです。

また、墓じまいをした30%が「本当はしたくなかった」という報告もあります。

墓じまいは、「墓石の解体・撤去・改葬を合わせた事」を表現したものだが、墓じまいというと、お墓の全てを否定する響きがある(終活・断捨離・後始末と同義語の様に感じる)事から、墓じまいという表現を止める様にと提言しています。

自分の子の世代に負担をかけさせたくないという理由で墓じまいをする親世代が多いと思われますが、親世代の考えだけでなく子世代の考えはどうなのか?を踏まえた上でどうするのかを決める事が重要です。

親の一存で墓じまいをしてしまうと、その親が亡くなった際に「どうしたらいいのか?」全く分からなく途方に暮れる事になります。

負担をかけさせたくないという気持ちも理解できますが、安易な考えで墓じまいをする事は逆に無責任な事だと私は思います。

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