「本山納骨」

墓を継ぐ人がいない、墓が遠くて管理ができない等という理由で墓じまいをする人が増えていますが、宗派の本山に納骨をする「本山納骨」が注目されているそうです。

釣月寺であれば妙心寺という様に、各寺院の本山に納骨(分骨)するという事です。

宗旨宗派不問という所もありますが、その宗派の檀家でないと利用できない場合もあります。

本山納骨を利用した人の中には、「供養を依頼した寺院が将来においても存続しているとは限らないが、本山は残るので安心」という意見もあるそうです。

これはまさにそうです・・・

ある住職が、「今後生き残る寺院は、本山と檀家が半分になっても財政的に問題のない寺院だけだ」と言っていましたが、これは的を射る考えだと思いました。

本山が近くにあればいいですが、本山が遠いといった場合は、納骨したはいいがその後手を合わせに行くことが難しいという事にもなりかねません。

本山に納骨をすると、日牌(にっぱい 毎日供養する事)、月牌(げっぱい 月命日に供養する事)によって費用が変わる事が多いです。

自分の墓所に全骨を納骨する地域においては、分骨をすると体がバラバラになるという事で、抵抗がある人もいます。

分骨に対する意識は地域によって違いますが、私がいた京都の寺では京セラ創業者の稲森和夫氏と縁があった事から、京セラの社員の供養塔があり、そこに分骨をする方もいて、毎年京セラ主催の供養祭を行っていました。

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