「御布施の値上げについて考える」

御布施は、葬儀・法事の御布施だけでなく、お守りやおみくじの物販、御朱印、拝観料も含まれます。

人件費、水道光熱費の高騰など致し方ないのですが、御朱印を従来の300円から500円へ値上げや、観光寺院においては拝観料の値上げをしている寺院が増えているそうです。

おみくじや御朱印、拝観料は観光寺院に関しての事ですが、釣月寺の様な観光寺院ではなくても、葬儀・法事の御布施の値上げをしている寺院もあります。

御布施を値上げする理由としては、「物価の高騰」「葬儀。法事が減少している」「檀家数が減少している」等という事が考えられますが、この様な理由で値上げをしていると、ますますお寺離れが加速し、悪循環でしかないと私は思うのです。

墓じまい等により、檀家が減少していくのは全ての寺院に当てはまる事で、「檀家以外は受け入れない」という方針の寺院においては、御布施の値上げも止むを得ないと思いますが、これは寺側の言い分でしかなく、理解を得られるとは到底思えないです。

釣月寺でも墓じまいをする人は増えていますが、それ以上に新たな御縁で永代供養塔、樹木葬、家族墓を利用する人は増えているので、御布施を値上げするという事は考えておりません。

「住職コラム2021年10月15日号 これからの寺は選ばれる時代です」にも書いていますが、檀家以外の方とも御縁ができるようにしていかないと寺院の運営が厳しくなっていくのが現実です。

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