「宗教法人の減少と増加」

 文化庁が毎年発行している「宗教年鑑」によると、令和4年の1年間に宗教法人の数が約600減少したそうです。

これには、仏教系の宗教法人だけではなく、神道系、キリスト教系等も含まれています。

600減っているとはいえ、宗教法人の数は国内で180,000弱あるそうで、この数に驚きますが、宗教法人の全体数は年々減っているのに仏教系の単立宗教法人は年々増えている実態があります。

今回は、「仏教系の単立宗教法人」に注目してみました。

以下ウィキペディアからの引用です。

「宗教法人には、単位宗教法人と包括宗教法人がある。さらに単位宗教法人は、被包括宗教法人と単立宗教法人に分類される。単位宗教法人とは神社、寺院、教会のような境内建物(法第3条)を有する宗教法人であり、法第2条第1号に該当する団体である。包括宗教法人は単位宗教法人あるいは非法人の単位宗教団体を包括する宗教法人であり、法第2条第2号に該当する。例えば、仏教では宗派(宗団)が包括宗教法人に、末寺が被包括宗教法人にあたる。また、単位宗教法人のうち、包括宗教法人もしくは非法人の包括宗教団体の傘下にあるものを被包括宗教法人といい、そうではないものを単立宗教法人という」

釣月寺は臨済宗妙心寺派に属してしますが、仮に釣月寺が臨済宗妙心寺派から離脱した場合には、釣月寺は単立宗教法人になります。(独立するという事です)

この単立宗教法人の数が、年々増加しているのです。

「宗教年鑑」によると、平成25年の単立宗教法人数は2676でしたが、平成30年は2749、令和4年は2807でした。

〇〇宗とか、〇〇宗〇〇派という被包括宗教法人だと、いわゆる本山への上納金がある訳ですが、上納金に対する批判(これは多くの寺院が思っている事です)や、本山の意向(教義の内容)に賛同できない等という理由から単立化する寺院が増えています。

単立の宗教法人になる理由は分かりませんが、令和5年6月15日の第88回住職コラム「宗教法人のネット売買横行」にも書いていますが、宗教法人を売買するにはまず単立になる事が最初のステップになります。

単立した宗教法人は、「自分の寺が本山」という事になり「臨済宗系の単立」と表現したりします。

檀信徒からすると、宗派は気になる事かも知れませんが、臨済宗〇〇派という〇〇派はハッキリ言って関係ないと思うので、単立化もアリだと思いますが、後継者を自分で探さないといけないというのが一番の問題になります。 宗派に属している場合は、住職がいなくなったとしても誰かが代わりをやってくれます。

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