「納骨堂問題について」
札幌市にある宗教法人運営の納骨堂が、競売にかけられ、不動産会社に落札されたというニュースがありました。
問題になった納骨堂はビル型(北海道は積雪の為、冬期は墓参りが出来ない事から、室内の納骨堂があります)になっていますが、ビル型納骨堂は建築費もかかり、また維持管理費も必要で、これが意外と高額だったりします。
室内型の納骨堂ができ始めた当初は、ロッカーの様な中に骨つぼを入れるだけの簡素な形が主流でしたが、最近はカードキーをかざすとお骨が入った厨子(簡易的な仏壇)が訪問者のブースに自動搬送されるスタイルが多くなり、都市部を中心に需要が高まりました。
競売にかけられた原因は、借入金が返済できないという事ですが、納骨堂を管理していく為に維持費がかかる事も原因だと思われます。
墓じまいの増加等により、ビル型、室内型の納骨堂の需要が高まる(都会では墓地の土地が無いという問題があります)のは致し方ないとは思いますが、ここで重要なのは「競売にかけられたら遺骨はどうなるのか?」、「建物が老朽化し、建て直す際は遺骨はどうするのか?」、「天災等による不可抗力の際、遺骨はどうなるのか?」を確認してから利用する事が望ましいですが、契約書が曖昧だったり、管理体制のずさんな施設もあるのは事実です。
墓地の経営・管理に関しては「 墓地経営主体は、市町村等の地方公共団体が原則であり、これによりがたい事情があっても宗教法人又は公益法人等に限られること。」と定められています。
その為、民間企業が墓地・霊園の運営・管理に関わる事はできない事から、表面的には経営主体〇〇寺としている墓地・霊園であっても、実際の運営は民間企業という所もあるので注意が必要です。