「最近のネットでのお坊さん手配について思う事」
特定の寺院がない方向けに、ネットで法事や葬儀の依頼を面識のないお坊さんに依頼する事ができる業者があります。
この様な業者に関し、首を傾げる事がいくつかあったので、ある業者について私が思う事を書いてみます。
「信頼できるお坊さんを紹介します」
お坊さんとしての資格は確認している様なので、偽物のお坊さんの可能性は低いですが、信頼できるとは限りません。
「宗派指定料がない」
往々にしてこの様な業者を依頼する人で、宗派の指定をする人は多くありません。
稀に、実家の宗派と同じでないとという人はいます。
「希望の日時、希望の場所で法要ができます」
希望の日時でできるという事は、エントリーしているお坊さんが何人もいるので、誰でも良ければ希望の日時でできます。
希望の場所というのは、大体が自宅になります。
知らないお坊さんの寺で行いたいという人は、皆無だと思います。
「お坊さんとは1回ごとの付き合い」
言い換えれば、その時だけという事になりますが、私の経験上この様な業者を利用する人は、49日忌だけ、1周忌だけという人が多いです。
多くの寺院は、檀家でないと法事、葬儀は受けないという傾向があります。
これは従来の寺院と檀家の関係からの事ではありますが、檀家以外は受け付けないという寺院があるが故に、このような業者がある訳です。
その場限りの依頼なので、次の法事の依頼を受けられるかはそのお坊さんの力量に依りますが、初めて会って次に繋げるのは難しいと思います。
費用に関して、この様な内容のサービスで高いのか?安いのか?分かりませんが、明示されている料金の半分以上は業者の取分になります。
以上の事を踏まえて、ネットでのお坊さん手配業者を利用したいというのであれば、それはそれで構わないですが、このコラムでも書いているように、寺院と檀家、信者の関係は信頼関係で成り立っており、持続的な関係が大事であると私は思っています。




