「SBNR(Spiritual But Not Religious) 特定の宗教を信仰しているわけではないが、精神的な豊かさを求める」
SBNRとは目に見えない精神的な価値(見えない宗教)への関心が高い人の事で、欧米を中心に注目を集め、静かに社会に浸透しているそうです。
「身体的・精神的・社会的充実が満たされた状態」(ウェルビーイング)の事で、日本の伝統的な信仰や宗教、思想文化の中で培われた価値観と非常に親和性が高いと言われていて、神社仏閣を参拝した時に感じる精神的な充実感がそれに当てはまると思います。
以下、博報堂のSBNRレポートです。
世界的な宗教離れが起きている中で、スピリチュアルでありたいという人は増えています。
「物理的な豊かさよりも精神的な豊かさを求める」「お金よりも人との縁」「学歴よりも運命」「AIよりも直感」を信じる傾向にあるそうです。
SBNRな人は日本において非常に多く、20代48%、30代39%、40代40%、50代40%、60代46%の人がSBNRな人であり、国別では日本43%、アメリカ8%、フランス17%、インド4%という調査結果になり、欧米のSBNRな人が日本に持つイメージとしては、「日本はスピリチュアルな国だと思う」48.7%、「日本のスピリチュアルな地域に行ってみたい」37.2%という結果になりました。
日本の歴史・文化の中で育まれたSBNR的な感性・価値観として「祭祀儀礼」があり、「セレモニーを通じて、他者・先祖・歴史との目に見えない繋がりをつくる」という事があります。
お盆やお彼岸などの祭礼行事、お祭りの様な先祖への感謝、その土地の歴史に敬意を払うといった目に見えないものに意味を見いだす事(八百万の神、山岳信仰など)や、先祖や歴史との繋がりを重視する日本ならではの感覚がそれに当てはまります。
最近の調べでは、国境を越えて多くの人々が、動物や自然界(山や樹など)にはスピリチュアルなエネルギーが宿ると考えており、これは若年層と高齢者の間で大きな差異はないという結果があります。
いつの時代にも、人は信じる拠り所を必要としています。