「葬儀簡素化の要因」

コロナ禍以降、葬儀の規模の縮小や簡素化が顕著になりました。

これは全国的な傾向で、時間や費用がかかる事を施主が敬遠するなど、送り出す側の考えによるものもありますが、葬儀を行う側(僧侶)の説明不足(葬儀の意味を説明しないなど)が葬儀の簡素化に拍車をかけているという意見もあります。

葬儀が簡素化すれば、葬儀にかかる時間が減り、手間もかからないという事で、僧侶側が簡素化された葬儀を歓迎している傾向もあるようです。

私が釣月寺に戻ってきたのは2002年ですが、その当時は既に会館での葬儀が主流でした。

それまでの葬儀は自宅ないしは本堂で葬儀を行っていたので、会館での葬儀が主流になった時に多く寺院は「楽でいい」と思ったハズです。

典型的な例を挙げると、本来初七日忌は火葬後に行う法要ですが、寺院側が手間という事で初七日忌を葬儀に引き続き火葬の前に行う事は珍しい事ではないです。

故人は亡くなって七日目に三途の川を渡ると言われている事から、初七日忌法要は三途の川を無事に渡れるようにという法要である為、火葬の前に行う事はあり得ないです。

本来葬儀は寺院主導で行うので、寺院側がキチンと説明をしなくてはならないのですが、残念な事に多くの寺院において、初七日忌は火葬の前に行う事が一般化しています。

2025年1月に実施した「葬送儀礼の実態に関する調査」で、「葬儀はどのような場か?」という問いに、「残された人が故人にお別れを言う場」78,7%、「悲しみを和らげる場」73,9%、

「残された人が死の現実を受け入れる場」70,1%という様に、グリーフケアとしての意味合いがあるという答えがある一方、「故人に引導を渡すなどして宗教的意味付けをする場」という回答が82,8%ありました。

釣月寺では昨年の秋頃から、通夜・葬儀の意味を少しでも理解していただきたいという事から、通夜・葬儀の式次第を作成し、少しでも葬儀の内容を知っていただくという試みをしています。