「寺院の役目、住職の役目は安心を届ける事です」
寺院の役目、住職の役目で一番重要なのは、「安心して貰う事」、「安心を届ける事」だと改めて思う事が最近ありました。
「葬儀社の互助会に入ったから、葬儀の時は安心だ」と多くの方は思っていますが、葬儀社が介入するのはあくまでも葬儀を行う事だけであり、「亡くなった際、どの様な段取りなのか?」「火葬した後、遺骨はどうするのか?」「故人の供養はどうするのか?」という事は教えてくれません。
勿論、聞けば教えてもらえると思いますが、あくまでも葬儀社としては互助会会員の1人、顧客の1人に過ぎません。
この事が葬儀社と寺院の決定的な違いであり、私達住職の役目は「持続的な安心感を持ってもらう事」に尽きると思います。
最近あった出来事を2つ紹介します。
1つ目は、釣月寺境内に生前に墓地を建て、葬儀社の互助会に入っている方です。
最近身内で葬儀があったという事で、亡くなった際の段取りについて話を聞きに来ました。
この方の様に、予めの相談をしていただければ安心に繋がると思うのですが、亡くなった時の相談をする方は残念ながら殆どおりません。
2つ目は、お寺の伝手がない方です。
この方は釣月寺と今まで御縁のない方で、お墓を紹介するポータルサイト経由で資料請求がありました。
資料送付後全く連絡がありませんでしたが、医師からそろそろ・・・と言われ相談に来ました。
話を聞いてみると、葬儀社の互助会には入っていないが、もしもの際は釣月寺本堂で葬儀を行いたいという御希望でした。
どちらの方も分からない事、不安な事が多かった様ですが、話を聞く事で安心されて帰りました。
葬儀社の互助会については、2020年1月1日 第5回住職コラム「葬儀社の互助会に入る必要はありますか?」にも書きましたが、互助会に入る必要は全くありません。
私達住職の役目は、安心を持ってもらう事だとつくづく思いました。