「日本の火葬率は9割以上ですが、土葬も可能です」
遺体は火葬するのが一般的であり、日本の火葬の普及率は世界一だそうですが、実は土葬も可能です。
明治時代までは土葬が一般的でしたが、土葬するには土地が必要である事、また衛生面から火葬が主流になっていきました。
釣月寺の例を挙げると、昭和初期までは土葬、それ以降は火葬です。
土葬の時代に亡くなった人の埋葬されている場所は分かりません。(お墓があっても石塔だけです)
しかし宗教的な観点から、現在においても土葬が主流の国もあります。
キリスト教は、「キリストが再臨し死者は復活する」と考えられている為、肉体を燃やしてしまう火葬はタブーとされていて土葬が一般的ですが、教派によっては火葬もあります。
イスラム教は、聖典コーランで「死後の復活が約束されている」為、復活するには肉体が必要であるという考えから、日本国内においてもイスラム教の方は100%土葬です。
2018年イギリス火葬協会発行の資料(注1)によると、主な国の火葬率はアメリカ51%、イギリス77%、ドイツ62%、フランス39%、イタリア23%、カナダ70%、ロシア9%、台湾96%、香港93%、韓国84%、タイ80%となっています。
近年アメリカにおいて、遺体を3か月かけて骨も一緒に堆肥にし、自然に還るという「コンポスト葬」(堆肥葬)が話題だそうです。
スウェーデンでは遺体をフリーズドライにして腐葉土にするやり方、オランダではキノコの菌糸によって遺体が納められた棺桶ごと朽ちさせ、土に還すという究極の循環型埋葬法があるそうです。
沖縄では、土葬した遺体を掘り起こし、洗骨するという習慣がありました。
ガレッジセールのゴリ監督、主演の「洗骨」という映画があるので、興味がある人は見て下さい。
以下、ウィキペディアからの引用です。
沖縄諸島では「シンクチ(洗骨)」といい、奄美群島では「カイソウ(改葬)」と称する。かつての沖縄などでは、よく見られる葬制であった。琉球王国の王室は、戦前まで洗骨を経て納骨されていたことが、記録に残っている。沖縄における洗骨の意味は、洗骨されないうちは死者は穢れていて、神仏の前に出られないという信仰があるからとされる。洗骨という儀式において、実際に骨を洗うという行為は親族の女性、特に長男の嫁がすべきものとされた。しかし衛生的に問題があるうえ、肉親の遺体を洗うという過酷な風習であるがゆえに、沖縄県の女性解放運動の一環として火葬場での火葬が推奨され、また保健所の指導により、沖縄本島では戦後消滅したとされる。