「お寺も教会も前途多難です」
墓じまいや檀家離れ等により、寺院の檀家数は減少していますが、我が国のキリスト教も信者数の減少が顕著です。
文化庁の統計によると、宗教法人の割合は、神道系46,9%、仏教系42,6%、キリスト教系2,6%で、信者数は神道系48,1%、仏教系46,5%、キリスト教系1,1%となっています。
キリスト教の信者数は、戦前から増えていないそうです。
仏教では世襲制の宗派もありますが、キリスト教はカトリックにおいては妻帯を禁じていて、プロテスタントは世襲制ではない為、宗教者の高齢化、宗教者のいない教会も増えている現実があります。
教会の主な収入源は信者からの献金なので、今後の維持管理はかなり厳しくなるのは明らかです。
寺院に置き換えてみると、主な収入源が寄付金というのはかなり厳しいです・・・
信者の高齢化、日曜礼拝(ミサ)の参加者の減少なども教会のかかえる問題ですが、寺院においても世代交代による寺院との関係の変化(法事をやらない等)が問題です。
「住職の考え方=その寺の方針」という事になりますが、多くの寺院においては昭和の時代の考え方、方針というのをそのまま引き継いでいて、住職の世代が変わっても(若い人が住職になっても)変わる事がなく、変えようとしないのですが、これは個々の寺院の問題だけではなく、本山の方針・やり方というのもまた昭和のままであり、時代は変化しているのに変えようとする気配が感じられません。
この様な昭和の時代の考えを今も持ち続けているのは教会においても同様の事だそうで、このコラムでも「他の寺院からは危機感が全く感じられない」と書きましたが、教会においても危機感というのは感じられないそうです。
寺院と教会に共通している事としては、双方共に開かれた場ではなく、関係者のみ(檀家や信者)の場であることから、関係者でない方には敷居が高く、普通に考えても知らない所(寺院・教会)に行く事はないです。
釣月寺では、今まで接点がない方からのラインやメールでの問合せもあり、情報発信はとても重要であると改めて思います。 釣月寺は誰にでも開かれた寺を目指し、新たなご縁の方も増えてきていますが、寺院の多くは、まだまだ檀家以外の方には開かれていなく、前途多難になるのは明らかです。